英国の大自然を舞台に壮大なパブリックアートを創造する
『Green Space Dark Skies』は、英国の美しい大自然を舞台に、壮大な野外アートをつくり上げる参加型プログラム。2022年4月から9月の夕暮れどきに、イングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズにある20ヵ所の英国国立公園(National Parks UK)や特別自然美観地区(AONB)を訪れ、山や湖、湿原に、何千もの光で幻想的な模様を描きます。光の演出は、2万人を目標に募った、『Lumenators』と呼ばれる参加者の協力を得て行われます。
Green Space Dark Skiesを主導するのは、英国を代表する国際的な野外アート集団『Walk the Plank』です。Lumenatorsが持つライトの開発は、世界有数のテクノロジー企業『Siemens』が手掛けています。このほか、Walk the Plankが拠点とする地域にあるサルフォード大学などのサポートを受け、光と自然が織りなす壮大なアート作品を誕生させます。
このプログラムの要となるのは、シーメンスが開発した携帯型ライト。夜間の自然環境に配慮して、低照度の設計になっています。この特殊ライトの視覚的演出が大自然に彩りを添え、幻想的で忘れられない世界を描き出すのです。イベントの様子はカメラにおさめられ、登場する人々やその場所にまつわるストーリーを盛り込んだうえで、ショートフィルムとしてオンライン上で無料公開されます。
気候変動に直面する今、自然の価値を改めて見つめ直す
Walk the Plankは、普段は自然豊かな地域にあまり足を運ぶことがない人たちにも参加してもらい、そこで得た体験を共有・発信してほしいと考えています。気候変動という非常事態に直面する今、自然の価値を改めて見つめ直し、一人ひとりが貴重な自然を守る意識を持つことがとても大切です。Lumenatorsには、そうした動きを先導する役割が期待されています。
そして、“サステナビリティ”はGreen Space Dark Skiesの核心ともいえる重要なテーマです。プロジェクトの実施にあたっては、自然のなかで過ごした痕跡を残さない、カーボンポジティブを実現して最終的にCO2の排出量より吸収量を多くする、できる限り資源を使用せず廃棄物の量を抑えるといった取り組みを行っています。Green Space Dark Skiesで得る体験は、環境問題について改めて考える大きなきっかけとなることでしょう。
開催地の情報は、Green Space Dark Skiesのプロジェクトサイト内『Events』(英語)で公開されています。ページ内の風景写真はイメージにとどめられており、正確な場所は参加登録をした人のみに伝えることで、貴重な自然環境を守れるように配慮しています。現地での参加が難しい場合は、オンラインで視聴できるショートフィルムを通して、『Green Space Dark Skies』の世界を体験してみてください。ショートフィルムはプロジェクトサイト内『Films』(英語)で随時更新される予定です。
日本からプログラムを楽しむ方法
日本からも、オンラインでプログラムを楽しめる方法をご紹介します。
- Green Space Dark Skies プロジェクトサイト内『Gwynedd – Trial Event』(英語)
3月19日に、ウェールズのディナス・ディンルで約100人のLumenatorsと行った、トライアルイベントの様子を公開しています。サルフォード大学のShannon O'Grady氏とAmelia Shaw氏が作成した音楽もお楽しみいただけます。イベント当日、Lumenatorsがイヤフォンで聞いた音楽と同じものです。 - Green Space Dark Skies プロジェクトサイト内『Peak District National Park』(英語)
4月23日に、イングランドのピークディストリクト国立公園で実施したイベントの一部を短い映像でご紹介しています。現在、当日の様子をお伝えするショートフィルムを制作中で、近日中に公開する予定です。音楽監督のPete Moser氏が手掛ける、Sophie Sparhamの詩を取り入れた音楽も聞くことができます。