ロンドン2012とアンリミテッド
2009~12年にかけて、ブリティッシュ・カウンシル、アーツ・カウンシル・イングランド、クリエイティブ・スコットランド、アーツ・カウンシル・オブ・ウェールズ、アーツ・カウンシル・オブ・ノーザン・アイルランドのパートナーシップにより実施された大規模なプログラム 「アンリミテッド(Unlimited)」。障害のあるアーティストの創造性溢れる活動を支援することを目的に設立・発表され、主に4つの分野を横断する包括的な支援―(1)障害のあるアーティストによる作品制作のための資金助成と制作委託、(2)制作のうえで必要となる専門技能の育成、(3)制作された作品の上演や展示、(4)アーティストの国際進出ならびに国際コラボレーションの促進―が掲げられました。
2012年ロンドン五輪の文化プログラム「ロンドン2012カルチュラル・オリンピアード」の主要プログラムのひとつとして展開されたアンリミテッドでは、2010年~11年にかけて行われた3度の公募を経て、障害のあるアーティストや彼らが所属する芸術団体に29の新しい作品制作が委託されました。アンリミテッドから生まれたすべての作品は2012年、五輪開幕に向け英国全土でおよそ3か月にわたって行われたカルチュラル・オリンピアードのクライマックスともいえる「ロンドン2012フェスティバル」で披露され、さらに、パラリンピックに合わせロンドンのサウスバンク・センターで開催された10日間の「アンリミテッド・フェスティバル」のプログラムの中核を成しました。アンリミテッドによって、これまでにない規模で障害のあるアーティストによる斬新かつ意欲的な作品の数々が英国国内外で紹介され、プログラムは障害のあるアーティストによる優れた芸術活動に対する認知度の向上と、アーティストの活躍の場の拡大に大きく貢献しました。
2012年以降の展開
2009年~12年の成功を受け、そのレガシーを引き継ぐアンリミテッドの実施が2014年、アーツ・カウンシル・イングランドとクリエイティブ・スコットランドによって発表されました。3年間にわたる本プログラムの運営を受託したシェイプとアーツアドミンには150万ポンドの助成金が提供され、クリエイティブ・スコットランド、ブリティッシュ・カウンシル、サウスバンク・センター、DaDaFest の協力のもと、新たなアーティストの発掘や作品の委託に加え、メンタリングなどの支援を行っています。ロンドンのサウスバンク・センター(2014年、2016年)とグラスゴーのトラムウェイ(2016年)での「アンリミテッド・フェスティバル」の開催も決定しており、ブリティッシュ・カウンシルはアンリミテッドのパートナーとして引き続き、アーティストやプロジェクトの国際的な展開をサポートしています。