ウェールズと日本が一年を通じて文化交流に取り組む
2025年、ウェールズのアーティストたちは、日本の文楽に着想を得た人形劇から若者による音楽を通じた交流まで、幅広い分野で日本との新たな文化交流に取り組みます。
「日本におけるウェールズ年2025 文化プログラム」は、芸術・創造性・言語を通じて、両国の絆を祝う取り組みです。本プログラムは、ウェールズ・アーツ・インターナショナル、ブリティッシュ・カウンシル、ウェールズ政府の連携により実施され、「日本におけるウェールズ年2025」の中核を成す事業として、両国の関係強化を目指します。
1年間にわたるこのプログラムでは、日本におけるウェールズ、そしてウェールズにおける日本の独自の価値と創造性に焦点を当て、文化的ウェルビーイング、持続可能性、先住民族言語に重点を置いた21の共同プロジェクトを実現しました。これらの取り組みは、ウェールズの先駆的な「将来世代のためのウェルビーイング法(Well-being of Future Generations Act)」に沿って進められ、平等、気候正義、コミュニティ、言語に根ざした創造的な協働を促進しています。
このプログラムの一環として2025年10月には、日本各地でウェールズの芸術・文化・創造性・言語を紹介するさまざまなイベントが展開されます。以下、いくつか紹介します。主な内容は以下の通りです:
- Keltronica:東京で開催される音楽とアートのショーケース。グウェノ(Gwenno)、キアン・キアラン(Cian Ciaran)、ディーン・リグウィ(Dean Lligwy)、マーク・ジェイムズ(Mark James)が出演。
- Selector After Dark:大阪・関西万博会場の英国パビリオンにて開催される英国のエレクトロニック音楽のショーケースに、ウェールズ出身のDJ兼放送人シアン・エレリ(Sian Eleri)とミュージシャンTwstが出演。
- Hijinx Theatre:学習障害や神経多様性を持つパフォーマーとの包括的な活動で国際的に評価されている劇団のハイジンクスが、受賞作品『ミート・フレッド』を鳥取の「鳥の演劇祭」で公演。
- Dawns y Ceirw:ウェールズ国立劇団シアター・カムリ(Theatr Cymru)による話題作『カルの旅(Dawns y Ceirw)』を世田谷の三茶de大道芸で披露。また、北海道の国立アイヌ民族博物館-ウポポイと連携し、ウェールズ語演劇およびテクノロジープラットフォーム「シブルード(Sibrwd)」に関連したワークショップ等を行う。
- Only Boys Aloud:ウェールズの少年合唱団オンリー・ボーイズ・アラウドが初めて来日し、これまでオンラインで交流してきた大分や北九州の若者たちと対面で出会い、音楽を通じた交流を深めるほか、各地でコンサートを開催。
プログラムの目的:
- ウェールズと日本の既存の文化的関係や創造産業のつながりを育み、ウェルビーイングの目標を軸に、新たなパートナーシップを創出。すべての活動において平等と多様性を推進します。
- 2019年のプログラムを基盤に、日本におけるウェールズの文化や価値への理解を深めるとともに、日本の経験と知識をウェールズに還元します。
- ウェールズ独自の文化的ウェルビーイングモデル、特に、多様性、芸術、健康・福祉、言語に焦点を当てながら、気候正義(climate justice)への取り組みと「将来世代のためのウェルビーイング法」理念を発信します。
- ウェールズ政府および日本のパートナーと連携し、芸術・文化・創造産業における新たな協働のあり方を構築し、共同投資やスポンサーシップの機会を創出します。