By ブリティッシュ・カウンシル アーツチーム

2020年 09月 04日 17:00

暗い舞台上、スポットライトの下で踊る一組の男女バレエダンサー
Hannah Bateman as Jane and Joseph Taylor as Mr Rochester in Jane Eyre at Northern Ballet, Leeds, England ©

Emma Kauldhar

美術館など文化施設が活動を再開しつつある英国で、多くの文化芸術団体が新型コロナウイルスと共に生きるニューノーマル時代に対応した新しい取り組みやプログラムづくりを進めています。

新型コロナウイルス感染症の影響が拡大しロックダウンが敷かれた当初、外出自粛でアートに触れる機会が失われた人々に質の高い芸術を届け続けようと、多くの団体が期間限定で作品を無料配信するなど、自宅で楽しめるコンテンツを世界中の観客に向けてオンラインで提供しました(日本からも視聴できるプログラムの情報は、ブリティッシュ・カウンシルのウェブページのほか、#CultureConnectsUs のハッシュタグをつけてソーシャルメディアで発信しています)。

9月に入り、多くの団体が活動再開に向けて動く中、新型コロナウイルスとの共存という新しい挑戦と向き合っています。ホールに満員の観客を迎えてのコンサート実施まではまだ時間がかかるとはいえ、ソーシャルディスタンシングを保ちながらステージ上での演奏ができるようになったオーケストラは、有料公演を再開。その他の舞台公演も、屋外にステージを移したり、演者同士の距離を保った演出に変更したりして、新しい形で作品を上演し、オンラインで有料配信しています。今後は、従来の活動にどうデジタルを融合させ、観客層の拡大を図っていくかが重要になります。

こうしたデジタルを取り入れた新しいプログラム創造への期待は、文化芸術セクターを対象にした支援プログラムにも反映されています。英国のアート施設に支援を行うアート・ファンドでは、新型コロナウイルスがもたらした課題に対応する美術館や博物館による新しい取り組みを支援する助成プログラムを立ち上げ、先日助成先を発表しました。

以下、9月に日本からも参加可能なオンラインのプログラムです。

  • 英国ロイヤル・オペラ・ハウス『Live in Concert
    今年3月16日に休館してから初めて、ロイヤル・オペラ・ハウスの舞台上にアーティストが戻ります。バレエ(9月5日)とオペラ(公開日は近日発表予定)のプログラムを有料ライブ配信(£16で配信後30日間視聴可能)。
  • ダンテ・オア・ダイ『USER NOT FOUND 』 
    私たちのオンラインのアイデンティティは死後どうなるのか? ブリティッシュ・カウンシルのエディンバラ・ショーケースでも取り上げられた体験型パフォーマンスのデジタル版が2020年9月10日~10月10 日、YouTubeで無料公開。
  • フォースド・エンタテインメント『Complete Works: Table Top Shakespeare: At Home
    ウイリアム・シェイクスピアの36の戯曲を、役者ではなく、日用生活品を登場人物に見立てて、舞台に置かれた机の上でシェイクスピア劇の物語を再現する演劇作品。今回のアット・ホーム版では、俳優がそれぞれの自宅から、身の回りにあるものを使って上演します。2020年9月17日~11月15日にかけて週4作品、全36作品を公式サイトで無料配信。
  • ワイズ・チルドレン『Romantics Anonymous』 
    チョコレートとロマンスたっぷりのミュージカル。本来の演出で届けるために、キャストとスタッフは公演2週間前から自主隔離をしての上演。2020年9月22日~28日、ブリストルのオールド・ヴィック劇場から有料ライブ配信。ギフトカードやオンデマンドで楽しめる録画版の購入も可能。

本サイト内関連ページ