小学校での英語教育は、中学校やその先の人生における英語力の基礎をつくるだけでなく、子どもたちの可能性を広げるものです。和歌山県高野町の小学校では、「すらすら言える!」「英語が楽しい」という感想が増え、日々の授業で「小さな成功体験」を積み重なり、「自分はできる!」という自己効力感の高まりがみられます。

限られた授業時間の中で、子どもの学習意欲と学びのためには何が必要なのでしょうか? 和歌山県高野町での小学校での実践報告とともに、その根底にある理論や効果的な指導法などを通して、新しい小学校英語の取り組みについて考えます。

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日程:2025年8月23日(土)13:00~16:30

場所:東京都新宿区神楽坂1-2 ブリティッシュ・カウンシル同ビル内 地下2階 大会議室

対象:小学校教員、中高英語教員及び管理職、教育委員会 

費用:1,500円

共催:和歌山県高野町教育委員会・ブリティッシュ・カウンシル

プログラム:

  • 13:00-13:15 開会
  • 13:15-14:15 講演:「読み書きがつまずきになる前に-科学で支える小学校英語」武庫川女子大学准教授 村上加代子氏
  • 14:25-15:05 実践報告:「和歌山県高野町の小学校での実践と成果」高野町立高野山小学校外国語主任 足立典子氏
  • 15:15-15:55 ワークショップ:「語彙力とオーラシー(聞く話す)を育む指導」(日英)ブリティッシュ・カウンシル ローラ・プラット・河合千尋
  • 16:00-16:20 質疑応答
  • 16:30 閉会

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プログラム詳細:

■講演「読み書きがつまずきになる前に-科学で支える小学校英語」 武庫川女子大学准教授 村上加代子氏

英語の「読む」「書く」力につまずく子どもは、中学校になって初めて困難を感じるわけではありません。その兆しは、すでに小学校段階の「聞く」「話す」活動の中に表れています。では、英語の読み書きはどのような順序で発達していくのでしょうか。また、その発達過程に即した指導は、日本の英語教育でどのように扱われてきたのでしょうか。

本講演では、「読み書き指導の空白地帯」とも言える日本の英語教育の現状をふまえつつ、小学校中学年から中学校にかけて、子どもたちのどのような力に着目し、どのように育んでいくべきかを考えます。すべての子どもの成長を支えるために、そして違いを「つまずき」とせず「学びの出発点」とするために、指導者に求められる「読み書き指導の科学」のアップデートをご提案します。

■実践報告「高野町の小学校での実践と成果」 高野山小学校外国語主任 足立典子氏

和歌山県高野町では、2021年に始まった新しい取り組みで、スパイラルな取り組みを積み重ねた結果、ターゲット文を覚えるための練習量が年々少なくなりました。また、国語で1年生にひらがなを教える時と同じようにていねいにシンセティック・フォニックス学習を進めることで、子どもたちに多くの変化が生まれました。

今では6年生の子どもたちが、自分のことを話せるだけでなく、自分で初見の英語が読むことができ、「前よりスラスラ言える」「英語が読める」「英語が楽しい」という感想が聞かれます。どの学年で、どんな内容で、どの程度学習・指導を行っているかなど、6年間のカリキュラムの概要と日々の実践についてお話します。

■ワークショップ「語彙力とオーラシー(聞く話す)を育む活動」  ブリティッシュ・カウンシル ローラ・プラット・河合千尋

言語を学ぶ時、最初に触れるのは「音」、そして語彙は言語力の要。外国語として英語を学ぶ環境では、読み書き指導に移る前に、英語の音に対する気づきを高めたり、意味のある文脈で語彙に触れたりする取り組みが重要です。ワークショップを通し、小学校で留意すべき視点の具体例を実演します。ワークショップは英語で実施し、その途中で活動の解説を日本語で行います。

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