英国スコットランドの首都エディンバラでは毎夏、オペラ、クラシック音楽、舞踊を主なプログラムとするエディンバラ国際フェスティバル、世界最大級の芸術祭であるエディンバラ・フェスティバル・フリンジなど、複数のフェスティバルが同時期に開催されます。街全体がフェスティバル一色に染まるエディンバラのフェスティバルシーズンは、長らく英国の夏の風物詩として世界中の人に親しまれてきました。
しかし、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、エディンバラ国際フェスティバルも、エディンバラ・フェスティバル・フリンジも中止に。フェスティバルの中止は、毎年フェスティバルの開催を支えている数え切れないほどのアーティスト、観客、会場、小規模ビジネスなどの関係者にとって壊滅的な打撃をもたらしています。先日公開したブログ記事「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ、オンラインでの新たな展開を発表!」では、エディンバラ・フェスティバル・フリンジが、アーティストや会場の存続を支援するオンラインプログラムを発表したことを紹介しました。
そしてこの程、エディンバラ国際フェスティバルもオンラインプログラムの概要を発表。先に具体的なプログラム情報が公開された、エディンバラ・フェスティバル・フリンジのオンラインプログラムと併せて、視聴方法などを紹介します。
My Light Shines On - エディンバラ国際フェスティバルのオンラインプログラム
世界の音楽、オペラ、演劇などをYouTubeで鑑賞できるプログラム。エディンバラ国際フェスティバルが、スコットランドのアーティストや芸術団体と協働して、特別に公演を撮影しました。映像公開は8月8日現地時間21:30(日本時間8月9日5:30)から、エディンバラ国際フェスティバルのYouTubeチャンネルで。この特別なオンラインプログラムの開始を記念して、当日はジャンルを超えたアーティストの新作を特集した特別委嘱作品が、YouTubeチャンネル、Facebook Live、BBCスコットランドで現地時間21:30から放送されます。
映像で視聴できるのは、スコティッシュ・バレエ、スコティッシュ・オペラ、スコットランド国立劇場、ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団などによる公演。プログラム情報ページ(英語)は随時アップデートされるので、定期的にチェックしてみてください。
このオンラインプログラムの実施を通じて、500人以上のスコットランドのアーティストやクリエイター、技術スタッフの雇用を生み出しています。
Artists in the Age of Covid - エディンバラ国際フェスティバルが主催するオンラインディスカッション
世界中のアーティストやクリエイターが会し、新型コロナウイルス感染症をきっかけにアートセクターの未来について語り合う対談シリーズ。今を映す5つのテーマを取り上げ、ホストと3~4人のスピーカーによるパネルディスカッションの後、参加者からの質問も受け付けます。
- 第1回:8月10日16:00(現地時間)テーマ「コミュニティー」
新型コロナウイルス感染症の拡大は、アート団体とコミュニティーとの関係にどのような影響を与えたか? - 第2回:8月11日11:00(現地時間)テーマ「未来に向かって」
新型コロナウイルス感染症後のアートセクターはどう変わっていくのか? - 第3回:8月12日19:00(現地時間)テーマ「パワー」
新型コロナウイルス感染症によって露呈されたアートセクターの力関係とは? - 第4回:8月13日16:00(現地時間)テーマ「交錯」
異なるジャンルのコラボレーション、テクノロジーを取り入れた取り組みなど、新型コロナウイルス感染症がアート界にもたらした変化とは? - 第5回:8月14日16:00(現地時間)テーマ「何よりもアート」
危機と激動の時代にあって、アートこそがもつ力とは何か?
登壇予定のアーティスト情報やセッション詳細についてはプログラム情報ページ(英語)をご覧ください。視聴には事前登録が必要です。
Fringe on Friday - エディンバラ・フェスティバル・フリンジのオンラインプログラム
8月の金曜日(7日、14日、21日、28日の計4回)にライブ配信される60分のオンラインプログラム。コメディ、音楽、ダンス、キャバレーなど、さまざまなジャンルから、質の高い作品を紹介します。毎週のプログラム詳細は直前の水曜日にウェブサイト(英語)で発表され、視聴するにはチケット(9ポンド、またはそれ以上の任意の寄付額)の購入が必要です。チケットを販売することで、出演アーティストや会場が、収益を得る機会となります。
What’s on - 自宅で視聴できるエディンバラ・フェスティバル・フリンジのプログラム情報
オンラインで視聴できる、音楽、演劇、朗読、コメディなどのさまざまなジャンルのプログラムの総合情報ページ(英語)。無料プログラムや任意の寄付額を受け付けるものが多いですが、チケット購入が必要なものもあります。
どのプログラムも、実際に会場で、フェスティバルの雰囲気を味わいながら鑑賞できないのは残念ですが、日本にいながらさまざまな作品に触れることができるまたとない機会です。8月は是非、エディンバラのフェスティバルシーズンの醍醐味をご自宅で体験ください。