新型コロナウイルス感染症の流行は、英国でも各文化芸術団体に運営の工夫を迫りました。人々が文化活動やアートに触れる機会を提供し続けるため、美術館やホールなどの会場からオンラインへ。ロックダウンで厳しい外出制限がかかるなか、パンデミックがコンテンツのプラットフォームを移行させるきっかけとなりました。
そこで浮かび上がってくるのが、あらゆる人が情報やサービスを利用したいときのアクセスのしやすさ「アクセシビリティ」の課題です。より多くの人に届けるため、オンラインに移行するにあたって配慮すべき事項はたくさんあります。とりわけ障害のある人へのアクセシビリティをどのようにデザインするか。コロナの影響が収まり、以前のように人と人とが対面して活動できるようになっても、オンラインプログラムへの需要は残り続けるでしょう。文化芸術機関の未来を考える上で、障害のある人の多様なニーズを捉え、それを満たすためのノウハウを得ることは、文化活動やアートを万人が参加でき、楽しめるものとするためにも必要不可欠です。
あらゆる人がアクセスできるオンラインコンテンツ
このフォーラムでは、英国から前線で活躍する2名のスピーカーを招き、「あらゆる人がアクセスできるオンラインの文化芸術イベント、コンテンツ」をテーマに事例を紹介します。パンデミック以降、障害のあるアーティスト・観客のニーズに応えるため、実際に行った工夫とは。また、デジタルシフトが、障害のある人の文化芸術へのアクセスにどのような影響を与えたのか。オンラインイベントへの参加やコンテンツにアクセスする上で障壁となり得ることは何か、またそれを取り除く方法などを共有します。
文化芸術機関で働かれている方や音楽・イベント関係のお仕事をされている方、障害のあるアーティストや、障害のある人のオンラインアクセス拡大に関心をお持ちの方は、どうぞ本フォーラムへご参加ください。
開催概要
日時:2021年3月25日(木)18:00-19:30
主催:ブリティッシュ・カウンシル
参加費:無料(日英同時通訳、手話通訳付き)
使用プラットフォーム:Zoom(前日までに参加URLをお送りします)
お申込み方法:参加申し込みフォームよりお申込みください。
スピーカーと登壇内容
- ジェイコブ・アダムス(Attitude is Everything)
オンラインの音楽イベントについて、障害のある人に向けた運営のヒントを紹介します。パンデミックによってどのような障壁が生まれたのか、また、どのような工夫をしてそれを乗り越えるべきか実践的な工夫についても共有します。 - ジョー・ヴェレント(アンリミテッド)
パンデミック以降、「アンリミテッド」が提供してきたサポートや顧客のニーズについて紹介します。パンデミックがろう者や障害のあるアーティストにどのような影響を与えているかの考察や、今年1月のアンリミテッド・フェスティバルをオンラインで開催するにあたってアクセス面で配慮した点や、成功の秘訣について紹介します。 - 金森 香(株式会社Precog)
アクセシビリティに特化したオンライン劇場 THEATRE for ALL(令和2年度戦略的芸術文化創造推進事業『文化芸術収益力強化事業』)から、バリアフリー・多言語対応を施した動画配信の実践について紹介します。