絵画に描かれた田園地方

パンデミックによるロックダウンの影響で、英国では、しばらく外出もままならない状況が続きました。そうしたなか、自然との関係を見直す人たちが増えています。自然の光景はあらゆる時代の画家たちを魅了してきました。本編では、田園地方で過ごす一日に想いを寄せ、朝、昼、夜の景色を描いた3枚の絵画を紹介します。バロック美術の巨匠ピーテル・パウル・ルーベンスの《早朝のヘットスティーンを望む秋の風景》(1636年頃) 、英国を代表する風景画家ジョン・コンスタブルの《干し草車》(1981年)、自然観察を重視したことで知られるフランスの画家ジャン=バティスト・カミーユ・コローの《一日の四つの時:夜》(1858年頃)。移り変わりゆく一日の変化や光と影、描かれた幅広い色域は、後の印象派にも大きな影響を与えます。ロンドン・ナショナル・ギャラリー、ドーセット学芸フェローのルーシー・チズウェルが解説します。

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オンラインでアートが鑑賞できる『A Curated Look』とは

パンデミックによって、私たちの生活は大きく変化しました。家族や友人との距離、自然との関係、住まいのあり方など、その変化は日常を取り巻く内外の環境にも影響を与えています。そんな今だからこそアートを鑑賞することで得られる、新たな気づきとは——。300年以上前に描かれたフェルメールの肖像画に、ルーベンスの風景画に、私たちは改めて、何を読み取ることができるでしょうか?

ロンドン・ナショナル・ギャラリーが送る『A Curated Look(キュレーターの視点)』は、パンデミックの最中でいまこそ注目すべき作品を、キュレーターそれぞれの視点で選び、解説するオンライン・ギャラリー・トーク・シリーズです。自らの邸宅で多くの時間を費やした貴婦人像やアトリエで制作に勤しむアーティスト、田園地方に足を運びの大自然を描いたコンスタブルやコローなど、同館コレクションを代表する多くの名作が登場します。画家が描いたさまざまな光景やその眼差しを通して、私たちは空間を捉え直し、美を再発見することができるでしょう。5人のキュレーターが、ロックダウン中の自宅リビングからお届けします。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー

ロンドン中心部トラファルガー広場を望む荘厳な建築が、毎年多くの観光客を迎えるナショナル・ギャラリー。13世紀半ばから20世紀初頭までの2300点以上の作品が所蔵されています。イタリア・ルネサンスからポスト印象派に至る幅広い時代、地域とジャンルを網羅し、年間600万人以上の入館者数を誇る世界有数の美術館として知られています。

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