英国では、ロンドン交響楽団やBBC交響楽団ほか多くのオーケストラが、世界中の観客に向けて優れた音楽を提供するだけでなく、コンサートホールや教育機関などと連携し、子どもから高齢者まで多様な人々を対象に、参加者が主体的に音楽を楽しめるようなクリエイティブなプログラムを実施しています。こうした活動が地域との結びつきをより深め、楽団員のリーダーシップスキルを育みオーケストラ全体の演奏水準の向上にもつながることから、多くのオーケストラがそのミッションの中核に「ラーニング」を位置づけています。日本でもこうした新しい音楽教育のかたちが注目されるなか、ブリティッシュ・カウンシルは、日英のパートナーと連携しながらオーケストラ・ホール関係者向け英国派遣プログラムや、英国人ワークショップ・リーダーによる日本人オーケストラ楽団員のためのトレーニングを実施してきました。
今回は英国より、BBC交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団などの英国内外の主要な芸術機関とクリエイティブな音楽教育プログラムを展開し、ワークショップ・ディレクターとして第一線で活躍する作曲家のフレーザー・トレーナーを講師に迎え、クリエイティブなワークショップをリードし運営するスキルなどを実践的に学ぶトレーニングプログラムを開催いたします。
音楽ワークショップやオーケストラの教育プログラムに新たなアプローチを取りいれることに興味をお持ちの音楽家の皆さま、この機会にぜひご参加ください。
概要
日時:2015年4月3日(金)、 4日(土) 10:30-16:30
会場:芸能花伝舎
対象:オーケストラ楽団員、音楽家
定員:15名 (両日参加できる方、応募多数の場合抽選)
主催:ブリティッシュ・カウンシル
助成:大和日英基金
<申込方法>
オンラインフォームよりお申し込みください。
お問い合わせ:ブリティッシュ・カウンシル 担当:須藤(Eメール: uk-event@britishcouncil.or.jp)
*参加費無料/全日通訳あり
*参加者の方はご自身の楽器を持参ください。
*ランチ休憩をはさんで行います。
*一部のセッションには見学者が入ります。また、記録のため、映像と写真による撮影をいたします。
プロフィール
フレーザー・トレーナー
作曲家、ワークショップ・リーダー。ロンドン・シンフォニエッタ、BBCプロムス、BBC交響楽団、BBCコンサート・オーケストラ、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、サウス・バンク・センター、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ザルツブルク音楽祭などの英国内外の主要な芸術機関やフェスティバルなどと連携。20年以上にわたり、クリエイティブな音楽教育プログラムを展開している。ギルドホール音楽演劇学校の修士課程在籍中、作曲で1992年のルトスワフスキ賞を受賞。作曲家としてロンドン・シンフォニエッタやBBCから委嘱を受けるほか、子どもや若い演奏家、ユース・オーケストラのための楽曲を手がけ、世界各地で多様な音楽教育のプログラムの指揮をとっている。また、音楽グループ Between The Notes の設立者でもあり、ギルドホール音楽演劇学校で指導を行うほか、BBCのヤング・コンポーザーズ・コンペティションのパネルを務めるなど、その活動は多岐にわたる。
サイモン・ハラム
サクソフォン奏者。1969年リバプール生まれ。ギルドホール音楽演劇学校でジョン・ハールの指導を受け、1992年、優等学位で卒業。就学中は学長賞をはじめ、数々の賞や奨学金、コンテストで受賞。YCAT(Young Concert Artists Trust)賞に認められた初の管楽器奏者でもある。現在は、ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックでサクソフォンの教授を務めている。1997年にはロンドン・シンフォニエッタの主席サクソフォン奏者に就任。ソロイストとして国内外のさまざまなオーケストラで活躍するほか、アンサンブル奏者としても活発で、グラハム・フィトキン・バンド、ナッシュ・アンサンブル、コンポーザーズ・アンサンブルなどとも共演している。
ブルース・ノックルズ
トランペット奏者。ヨーク大学とロイヤル・アカデミー・ミュージックを卒業後、チェンバー・ミュージック・アンサンブル「ファイヤーズ・オブ・ロンドン」でトランペット奏者としてのキャリアをスタート。現代音楽の分野を専門とし、その後ロンドン・シンフォニエッタ、エンディミオンなど英国やヨーロッパのさまざまなアンサンブルで活躍。とりわけアンサンブル・モダン・オブ・フランクフルトとの関わりが深く、チェンバー・オーケストラ・オブ・ヨーロッパでも主席トランペット奏者として活躍した。またソロイストとして上記のさまざまな楽団やバーミンガム市交響楽団やBBC交響楽団と共演するほか、作曲家、指揮者としても活躍の幅を広げている。