奨学生10人が、英国、北米の大学へ
2014年8月7日
2014年に25周年を迎えたIELTS(アイエルツ)。
「IELTS奨学金」の募集も今年度で4回目となり、この度、2014年度の奨学生10名が決定しました。
去る7月31日に駐日英国大使館で開催された授賞式には、奨学生とそのご家族が招待されました。
<奨学金で夢の実現をサポート>
本奨学金は、日本人のさらなる国際化と文化・教育分野での交流促進、個々の受験生が抱いている夢の実現の援助を目的に設立されました。UK奨学金、北米奨学金の2種別あり、それぞれ3,000ポンド、6,000USドル支給されます。選考は、IELTSのスコアだけでなく、ご本人が何を目指して、留学先でどのような事を勉強されたいのか、また留学の経験を社会へ還元するビジョンをもっているかどうかが重視されます。
多数の応募者の中から、書類選考、面接選考を経て、下記10名の方が選ばれました。
氏名(敬称略、五十音順) 留学先 専攻
北米奨学金
唐澤彩子 カリフォルニア大学(アメリカ合衆国)University of California Theatre Arts
竹内雛子 トロント大学(カナダ)University of Toronto Faculty of Arts and Science
山本亮翼 レジャイナ大学(カナダ)University of Regina Linguistics
UK奨学金
尾形朋美 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート Royal College of Art MA in Design Products
近藤英恵 ケンブリッジ大学 University of Cambridge PhD in Biochemistry
田平修 ロンドン大学インスティチュート・オブ・エデュケーション Institute of Education, University of London Policy Studies in Education MA
内藤ジェニファーゆかり ロンドン大学東洋アフリカ学院SOAS, University of London Anthropology
成冨剛史 オックスフォード大学 University of Oxford MSc in Global Governance and Diplomacy
鉢呂健太 エディンバラ大学 The University of Edinburgh MSc in Sociology and Global Change
福桝純平 レディング大学 University of Reading MSc in Environmental Pollution
<英国大使館での授賞式>
奨学金授賞式には、受賞者とそのご家族が招待されました。授賞式ではまず、IELTSを日本で共同運営する日本英語検定協会の橋爪健理事からご挨拶。最近の文部科学省の取り組みなどを紹介し、日本が国を挙げて将来活躍する人材を求めていることに触れ、「(留学により)日本の未来を背負って立つ若い力となって欲しい」と激励しました。
次に登場したのはジュリア・ロングボトム駐日英国公使。「日本が国際化するには様々なことに取り組まないとならないが、英語のレベルを上げるのはその一つ」とし、英語力を身につけIELTSで留学する奨学生を称賛。「自分はいま(大使が不在のため)大使代理の立場だが、みなさんは本当の『大使』。IELTS大使として活躍して欲しい」と冗談も交えて、奨学生の皆さんへ期待を込めたメッセージを送りました。
<受賞者10人が留学の抱負を英語でスピーチ>
授賞式のメインは10人の奨学生による、留学への決意についての英語スピーチ。学業分野や留学先はそれぞれ違いますが、強い意志を持って留学に臨まれる姿が印象的でした。また、ほとんどの方が、留学によるメリットとして、世界中から人が集まる環境を挙げていました。
山本亮翼さんの夢は日本の教育システムを変えること。「(留学先の)カナダではイマージョンプログラムが盛ん。留学中に様々な学校を訪問して、日本の教育フレームに応用したい」と留学後を見据えた将来への夢を語ってくれました。
竹内雛子さんは、自身の言語習得の経験や留学先で学ぶことを活かし、「一つのテストだけでなく、IELTSやTOEFLなどの複数の英語運用能力テストの信頼性、有効性を伸ばしていきたい」という決意を表明しました。
俳優になることが小さい頃からの夢だったという唐澤彩子さん。「アメリカのドラマが好きで、アメリカ留学を決めた。自分が好きな英語と演技が学べる10か月の留学で、英語で演技できる俳優の夢に近づきたい」と抱負を語りました。
国連職員を目指している成冨剛史さん。「世界中から優秀な人材が集まる大学で国際外交を学び、グローバルな考え方のリーダーを目指したい。今後の職業上の道筋となる留学とする」との意気込みを語りました。
高校生の時から世界的な科学者になりたかったという近藤英恵さん。「科学リサーチが世界を一つにしている」と語り、世界最先端の研究室の一員となることで自分の能力を高め、今後のキャリアにつなげる決意です。
「大学で学ぶうちに異文化コミュニケーションへの興味がふくらんだ」鉢呂健太さん。「人生を変える経験となった」大学在学中の英国留学により、さらなる留学を志すことにしたそうです。今回の留学先のエディンバラのユニークさも魅力に挙げました。
福桝純平さんは、「発展途上国では土壌汚染が深刻。土壌学が1850年から始まった英国には、研究者が世界中から集まる。留学を通して、環境問題を解決するという自分の夢を叶えたい」とスピーチ。
「“Queen of Design”(デザインの女王)を目指す」という夢を語ったのはアート専攻の尾形朋美さん。「デザインとアートをロンドンで学ぶのが夢だった。留学先のロンドンで良い刺激を受け、人の人生のために革新的なデザインを生み出したい」
内藤ジェニファーゆかりさんは「バイアスなく他人を理解することは、今後すべての状況で非常に大切になる」という信念のもと、世界中から異なる背景を持つ人が集まる環境の中で自分が学ぶことの大切さを訴えました。
最後にスピーチしたのは田平修さん。教育政策立案者を目指す彼は、現場と理論の両方の観点を持つことが必要との固い意志を持って、留学先で政策学を学びます。「教育を改善して、世界を改善したい」と締めくくりました。
授賞式後の懇親会では、受賞者のみなさん、ご家族、過去の奨学生と交流を深めました。留学とIELTSという共通点をきっかけに、初対面でもすっかり打ち解けてお話されていました。
受賞者の皆さんが充実した留学生活を送られ、留学を通してさらにご活躍されることをお祈りしています。