ブリティッシュ・カウンシルは、あうるすぽっと、英国グレイアイ・シアター・カンパニーとの共催で、2020年5月に日本・英国・バングラデシュの3ヵ国の障害のあるアーティストとともに言葉、文化、障害の違いを活かしたコラボレーション公演『テンペスト』(原作:W.シェイクスピア)の上演を予定しています。

プロジェクト実現への第一歩として、英国グレイアイ・シアター・カンパニーの芸術監督で本公演の総合演出を行うジェニー・シーレイを迎えて、2019年2月24日(日)~27日(水)にワークショップを開催、約20名の障害のあるパフォーマーや俳優、ダンサーなどが参加しました。ジェニーのファシリテーションのもと、参加者それぞれの障害の違いや個性を活かした創造的でインクルーシブな演劇表現の手法を模索しました。

手話であわらすニックネームであるサインネームを共有している人々
ワークショップの冒頭では、自分自身の身体的特徴や性格、好きなものなどから考えたサインネーム(手話であらわすニックネーム)をそれぞれが考え発表。視覚障害者とのコミュニケーションのため、サインネームに呼応したサウンドも共有しました。
サインネームを使い、即興で自分のストーリーを表現する人
続いてサインネームを使い、即興で自分自身のストーリーや「好きなこと」や「恐れていること」を表現。「考えすぎずに、まずはやってみよう」というジェニーの言葉に応え、個々のクリエイティビティが発揮されました。
参加者が演出家と俳優としてペアを組み、演じたり演出するエクササイズ
参加者が演出家と俳優としてペアを組み、新聞紙、椅子、ヒモなど限られた小道具を使って、演じたり演出するエクササイズも実施。シェイクスピアの「テンペスト」で扱われるさまざまな人間の関係性(親子関係、思春期の友達関係、女性同士の関係)をもとにした演出の在り方についても話し合いました。
演技をしている二人の男性
最終日には参加者が持ち寄った思い入れのあるモノにまつわるストーリーをシェアしたあと、それを小道具に使って即興で演じました。
輪になって座っている参加者と講師
常に温かい言葉で参加者をファシリテートし、新しいチャレンジを促したジェニー。ワークショップの参加者からは、「様々な人が集って、それぞれのパフォーマンスを1人でやるのではなく、演出という方法でアプローチすることが良かった」「固定観念をこわして、空想の世界を広げる。考えすぎないで感性に任せること。自然な感情を解放すること。演出・演技でお互いに理解すること、信頼することの大切さを学んだ」「(演劇的)表現だけではなく、障害者の芸術の品格を社会的に向上させようとしているジェニーの活動にとても感動しました」といった声が聞かれました。

今回のワークショップをベースに、今後も日本、英国、バングラデシュのアーティストが対話やクリエーションを重ね、2020年の上演を目指します。

主催:ブリティッシュ・カウンシル、あうるすぽっと(公益財団法人としま未来文化財団)、豊島区
共催:グレイアイ・シアター・カンパニー
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京

ジェニー・シーレイ(グレイアイ・シアター・カンパニー芸術監督)
演出家として活躍し2012年ロンドン・パラリンピック競技大会開会式では共同ディレクターを務めた。障害のあるプロの俳優やスタッフによる英国の劇団、グレイアイ・シアター・カンパニーの芸術監督を1997年から務め、手話と音声描写を効果的に取り入れた革新的な作品を創作、英国内外で高い評価を得ているほか、日本、インド、スリランカ、ブラジル、バングラデシュなどでさまざまなワークショップや講演を行っている。英国の舞台芸術セクターのアクセシビリティ向上に大きく寄与し、2009年大英帝国勲章MBEを受勲、2012年ロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会関連文化プログラムのひとつである「Unlimited」ではアーティスティック・アドバイザーを務めた。

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